マンション管理:従業員が3倍に急増しても揺るぎない業務基盤を構築

IT専任不在の「構造問題」を解消し、現場と経営を繋ぐ一気通貫の伴走型支援

導入企業プロフィール

手計算・目視・電話頼みの「現場の穴」と業務効率の限界

当初、D株式会社様は「業務を効率化したい」という想いを持ちながらも、ほぼシステム化が進んでおらず、どこから手をつければいいか分からない状態でした。

特に以下のような、現場と管理部門の双方を圧迫する構造的な課題を抱えていました。

  • 膨大な手作業による給与計算
    一人ひとりの紙の出勤簿を手元に集め、Excelへ手入力で集計し、さらに給与システムへ転記するというプロセスをすべて目視と手計算で行っており、対応人数に対して膨大な時間と労力がかかっていました。
  • 欠員時の代行手配に苦労し、現場に穴が空くリスク
    1人現場が多いため、急な休暇の際は代行者の手配が必須でした。しかし、手配はすべて電話で行われており、代行者の検索に極めて多くの時間を要していました。手配ミスや無断欠勤による「現場の穴」を、オーナー様からの指摘で初めて把握することもあり、品質維持と信頼性の面で大きな課題となっていました。

ビルメン業務の深い理解と「専門用語を使わない」寄り添い姿勢

多くのIT企業やSIerがある中で、D株式会社様がコンサルトファームを選んだ理由は、システムの機能性だけでなく「伴走者としての安心感」にありました。

  • 業界特化システム「ビルメン.NET」と他システム連携の実績
    給与や会計などの既存システムとスムーズに連携できる拡張性の高さ。
  • ビルメンテナンス業務への深い理解
    業界ならではの実務経験があるため、こちらが説明しなくても意図がすぐに伝わり、相談が非常にスムーズに進む点。
  • 「わからない」を置き去りにしない姿勢
    専門用語を出来るだけ排除した、ITに詳しくないメンバーにも分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれる対話姿勢。
  • 「納品して終わり」にしない永続的な保守サポート
    パッケージの導入に留まらず、自社独自の課題をシステム化してくれる柔軟性と、運用・保守まで親身になって並走してくれる信頼性。

戦略の整理から現場の実務を埋めるシステムの構築へ

親会社が用意したネットワークやセキュリティ基盤はしっかりしていたものの、その仕様や要求に対応できるIT人材が社内にいない状態でした。

私たちは単にツールを入れるのではなく、手作業や目視が多く処理時間がかかりすぎている「ボトルネック(構造問題)」を特定し、段階的にシステム化を推進。経営から現場の末端まで、責任を分断させずにワンストップで以下の仕組みを設計・実装しました。

1. 中核業務のデジタル化と経営数値の可視化 【ビルメン.NET】

  • 契約・請求の自動連携
    契約内容をデータ化して整理し、それを元に請求書を自動発行できるようにしたことで、事務処理を劇的に効率化。
  • 人件費管理の適正化
    各社員の所属現場や異動履歴を正しく管理できるようになりました。

2. 現場の穴をなくし、配置を適正化する「位置情報&マッチングシステム」

  • 欠勤代行管理システム
    急な休暇が発生した際、過去の代行実績や、欠員現場の近くに住む社員をマップ上で即時に検索・抽出できる仕組みを構築。手配の流れが標準化されたことで、誰が担当してもスムーズに対応可能になり、スマホから今後の対応現場を一目で確認できるため「対応現場の間違い」がゼロになりました。
  • 現場・従業員地図情報システム
    すべての管理マンションと従業員の住所をGoogle Map上に可視化。巡回ルートの作成や適正な人員配置に直接活かされています。
  • リアルタイム着任「上番管理システム」
    従業員が現場に到着しているかをリアルタイムで確認可能に。突発的な事故や無連絡の欠勤を即座に検知し、未然に対処できるようになりました。

3. 「誰一人取り残さない」スマートフォンを活用したスマート勤務集計

  • ハイブリッド型勤務集計
    スマホ操作が可能な社員はアプリでの打刻によって即時データ集計。スマホ操作が難しい高齢のスタッフに対しては、OCR用紙に記入した出勤簿を読み取ってデータ化。 これにより、現場の負担を最小限に抑えながら、給与システムへの取り込みまでを全自動化。効率的でミスの一切ない給与計算を実現しました。

4. 高齢スタッフも安心して使える「従業員サイト」と確かなセキュリティ

  • スマホ対応従業員サイトの保守
    シニアの従業員でもスマホから直感的に社内報、各書式のダウンロード、就業規則にアクセスできる専用サイトを開発・保守。
  • AWS専用環境の構築とサーバー脆弱性診断
    複数のWebサイトを安全に管理できる専用のAWS環境を構築。月次の脆弱性診断を行い、セキュリティホールが見つかった場合は適切な措置を施すなど、インフラから安全性を担保し続けています。

従業員が3倍に増えても、平然と回る強固な組織へ

支援開始当時、約500名だったD株式会社様の従業員数は、現在1,500名(3倍)へと拡大しました。
しかし、仕組みが全体設計され、一気通貫で連動しているため、業務が破綻することなく非常にスムーズに運営されています。

  • 経営におけるITの重要性を認識
    「ITはコストではなく経営の軸である」と認識が変わり、社内にITの専任に近いポジションを配置し、主体的にIT推進に取り組む組織へと変革しました。
  • 受注金額アップ(値上げ交渉)の武器に
    「最低賃金シミュレーション」の導入により、最低賃金改定に伴う労務費上昇をデータとしてシミュレーション可能に。ファクトに基づいたデータを示すことで、オーナー様への受注単価交渉の確実な材料として機能しています。